伊藤左千夫さんの小説『野菊の墓』(1906年)や、細川たかしさんの歌で有名な『矢切の渡し』に実際に乗船してきました!
『矢切の渡し』とは
矢切とは千葉県側の乗船口ですが、川を渡れば東京、葛飾柴又です。柴又を舞台とする映画『男はつらいよ』シリーズでは、1969年公開の第一作で渥美清演じる主人公、寅さん(車寅次郎)が帰郷のため乗船する場面以降しばしば登場します。

矢切の渡しは、江戸時代初期に江戸幕府が地元民のために設けた利根川水系河川15ヶ所の渡し場のうちの一つです。
現在は民営になっており、観光で訪れる人が多いが、当時は官営の往来手段でした。
「矢切」は「やきり」それとも「やぎり」論争?

細川たかしさんは、「やぎり」の渡しと歌っていますね。また、北総鉄道の矢切駅は、「やぎり」と表示しています。
しかし、実は、正式な公称地名としては「やきり」と清音で読むのが正しいとのこと。
上の地図の左上部をよくみると「小説の舞台、やきりを散策しませんか。」と書いてありますね。
矢切(やきり)は、千葉県松戸市にある上矢切(かみやきり)、中矢切(なかやきり)、下矢切(しもやきり)の3地区の総称です。かつてはそれぞれが村として独立していましたが、現在は松戸市の一部となっています。
戦国時代に起きた第二次国府台合戦にて、里見方が矢が切れて負けたことから「やきれ」、「やきり」、「やぎり」となった説があるそうです。また、矢の飛び交うことを嫌い、矢はもういらない、矢を切る、から「やきり」となったという説もあります。
矢切を降りると
「矢切の渡し」の船は、基本的には、柴又側からのお客を乗せて往復する仕組みになっています。矢切側を降りると、簡単な出店はありますが、一応最寄りの駅である矢切駅まで道を尋ねながら徒歩で30分以上かかりました。わからないことがあるから知る喜びがあるのだから、時間に余裕がある人はいいかもしれません。

おかげで、東京からすぐのところにも、無人のとれたて野菜直売所があることがわかりました。
料金箱に自分でお金を入れて野菜を持ち帰る仕組みです。
矢切ネギは売り切れだったので、新鮮なグリーンレタス100円買って家に戻って食べましたが、たしかに美味しかったです。
矢切の渡しへのアクセス(柴又帝釈天を見て)
京成電鉄の柴又駅でおりて、柴又側から往復するのが便利です。せっかく柴又にきたのであれば、柴又帝釈天も見ていきましょう。参道には、『男はつらいよ』の舞台となった明治20年創業の『門前とらや』もあり、美味しいお団子などを食べられます。柴又の乗船上は、柴又帝釈天から江戸川の方へ歩いて20分ぐらいかと思います。
一方、矢切(千葉県松戸市)側の乗船場から、矢切駅までは迂回せざるをえず、少なくとも30分は歩いたと思います。時間に余裕がない方は、柴又往復一択です。
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