「鮎の日」と「GIAHS鮎の日」の情報を整理し、その違いや、鮎の楽しみ方について、まとめています。
本当の『鮎の日』はいつでしょう?
「鮎の日」を調べてみると、なんと3種類の鮎の日に関する情報にぶちあたりました。
- 6月1日 鮎の日 全国鮎養殖漁業組合連合会制定
- 毎月第三日曜日 鮎の日 全国鮎養殖漁業組合連合会制定
- 7月第四日曜日 GIAHS鮎の日 岐阜県制定
『鮎の日』とは別に、『GIAHS鮎の日』があることはすぐに理解できましたが、『鮎の日』は同じ団体による制定とされているにもかかわらず、複数の『鮎の日』の情報がありました。そこで、しっかりと調べてみました。
結論からいえば、正確な『鮎の日』は6月1日です。全国鮎養殖漁業組合連合会により2015年に制定されており、同連合会や社団法人 日本記念日協会のウェブサイトでも確認できます。
2015年ごろには、鮎の生産者は、飼料価格の値上がりに苦しんでいました。そうした中、事業の安定すなわち鮎の販売価格の上昇と飼料価格の低下を狙い、生産者の団結を図るために、鮎の日の制定に至ったという経緯があるそうです。
また、6月1日に決めたのは、全国の河川での鮎釣りの解禁日が、5月〜7月と幅広い日程であったため、ちょうど真ん中にしたためです。
一方、毎月第三日曜日も、同連合会の制定による『鮎の日』であるという記載があるネットの情報もありましたが、同連合会に直接照会したところ、そのような認識や経緯もなく完全なる誤りということが判明しました。
GIAHS鮎の日
7月第四日曜日は、岐阜県により、『GIAHS鮎の日』(じあす あゆのひ)に制定されています。
最初見たときは、GIAHSとは何なのかまったく想像できませんでした。
GIAHSは、Globally Important Agricultural Heritage Systems の略です。なんと、2002年にFAO(Food and Agriculture Organization、国連食糧農業機関) により創設された機関でした。その土地の環境を生かした伝統的な農林水産業や、生物多様性が守られた土地利用、農村文化や農村景観などが一体となり、維持保全が図られている世界的に重要な地域を後世に引き継ぐことを目的としているそうです。
そして、川を上手に管理することで、そこでくらす人々の生活を豊かにしてくれる川のことを里川といいますが、2015年12月に、人の生活、水環境、漁業資源が連携する里川のシステムである「長良川のシステム」が世界に認められ、「清流長良川の鮎」が世界農業遺産に認定されています。
岐阜県では、これを記念して、「長良川システム」を世の中に認知していただくとともに、岐阜県の県魚である「鮎」に対する関心を高めていただくことを目的に、7月の第4日曜日を「GIAHS鮎の日」に制定しています。
長良川艶歌(五木ひろし)でお馴染みの長良川ですね。
鮎とは?
鮎(あゆ)は日本の淡水魚です。香魚(こうぎょ)とも呼ばれており、その名の通り、スイカに似た芳醇な独特の香りが特徴です。清流に生息し、その美しい姿と上品な味わいから「川の女王」とも称されます。鮎の成長は早く、春から夏にかけて成魚となり、その短い寿命の間に一度だけ繁殖を行います。
鮎は古くから日本人に愛されてきました。奈良時代の文献にもその存在が記されており、貴族や武士の食卓に登場することもありました。また、鮎は川漁の象徴とも言える存在であり、多くの地方で鮎漁が盛んに行われてきました。
鮎の料理法
鮎は、なんといっても、そのまま焼いて食べる「塩焼き」が最もポピュラーですが、他にもさまざまな調理法があります。
- 塩焼き:新鮮な鮎を串に刺し、塩を振って炭火でじっくり焼き上げます。外はパリッと、中はふっくらとした食感が楽しめます。
- 煮付け:醤油、みりん、酒を使って甘辛く煮ることで、鮎の旨味を引き出します。
- 天ぷら:衣をつけて揚げることで、外はサクサク、中はふんわりとした食感が楽しめます。
鮎は高たんぱくで低脂肪な魚であり、健康にも良いとされています。特に、鮎にはビタミンDやカルシウムが豊富に含まれており、骨の健康を保つのに役立ちます。また、鮎の内臓にはEPAやDHAが多く含まれており、これらは心血管の健康を促進すると言われています。
鮎の日の楽しみ方
鮎の日を記念して、多くの地域で鮎漁の体験イベントが開催されます。これは観光客にも人気があり、川での漁を通じて自然との触れ合いを楽しむことができます。特に、手長網や投網を使った伝統的な漁法を体験することができ、その後に自分で捕った鮎を料理して食べることができるため、一度の体験で多くの楽しみが味わえます。
鮎の日は、日本の夏の味覚を楽しむ絶好の機会です。鮎の美味しさやその文化的な意義を再認識しながら、家族や友人と一緒に鮎料理を楽しむことで、素晴らしい時間を過ごしましょう。今年の鮎の日も、多くの人々が鮎の魅力に触れ、その美味しさを堪能することを願っています。
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